瀬津純司先生の作品は、器でありながら、空間に静かな「流れ」をもたらす存在です。
声高に主張することはなく、しかし一度置かれると、場の空気を自然と引き寄せ、質を高めていきます。
京都生まれ。幼少期から土が身近にある環境で育ち、素材が持つ可塑性そのものに惹かれて作陶の道へ。瀬津先生の表現の核には、陶芸の装飾技法「墨流し」を応用した独自の手法があります。色の泥漿を流し、にじみや重なり、偶然性を受け止めながらも、明確な美意識と制御のもとに表情を定着させる。その技法は、装飾にとどまらず、作家自身の哲学を体現しています。
曲線を基調としたアシンメトリーな造形は、用途を備えながらも、ひとつの造形作品として完結した存在感を放ちます。細部や目に見えない部分にまで手を抜かない姿勢が、作品に静かな緊張感と奥行きを与えています。
レクサス京都ショールームやフォーシーズンズホテル京都をはじめ、五つ星ホテルでの展示実績も多数。国内外、特に欧米やオーストラリアの人々から高い支持を集め、器とアートの境界を行き交う表現として評価されています。
瀬津純司先生の作品は、日常にそっと寄り添いながら、見る人・使う人それぞれの感性に新たな余白と流れを生み出します。