山田晶先生の作品を象徴するのは、鮮烈で深みのある「赤」です。
代表作「猩々緋(しょうじょうひ)」は、単なる色彩表現ではなく、器そのものを一つの表現として成立させるために選ばれた、挑戦的な赤。シンプルに削ぎ落とされた造形と響き合いながら、静けさの中に強い存在感を宿しています。
色は一度で完成させるのではなく、幾層にも重ね、焼成を繰り返すことで深みを生み出します。山田先生は色を「色」であると同時に「物質」として捉え、光や見る角度によって表情を変える独自の質感を追求してきました。
その表現の背景には、京都で培われてきた長い文化があります。伝統を固定されたものとして捉えるのではなく、かつて新しかった表現が時を経て伝統となるように、自らも変化し続けることを大切にされています。
近年は漆黒や銀彩にも表現を広げながら、あらためて「猩々緋」の赤を見つめ直し、独自の作品世界を深め続けています。私たち東五六にとっても、今後の展開を楽しみにしている陶芸家のひとりです。